和真は、ふぅ、と深呼吸をしてから、その続きを話してくれた。

「あの女が俺と芽衣が不釣り合いだとか言い出して。それだけでもキレる寸前だったけど、親が医者だとか、対等に付き合えるのは私だけだとか、最後には芽衣と別れろって言いやがって」

「うん、それは聞いてた」

「な、ムカつくだろ。だから、

『俺と付き合う?って言ったらお前、しっぽ振ってついてくんのかよ?最低だな、動物以下だなお前。親が医者とか関係ねーんだよ。
俺が対等に付き合えるのは芽衣だけなんだよ。いや、芽衣の方が俺の先を歩いてんだよ。俺は芽衣と対等になれるように頑張ってんの。お前は親が医者ってだけで、お前自身は中身が何もないだろ』

的な?」

「和真・・・・」

「分かった?芽衣。本当はこの倍言いたかったんだけどさ。さすがに止めといた。芽衣も待たせてたしな。待ってなかったけど」

「かずまぁ~。やっぱり和真って怖い」

「なんでそうなるんだよ。ばか」

「ありがとう、和真」

「ん」

そう言って和真は私の涙を優しく拭ってくれて。

薄暗くなり人気のなくなった公園で、和真からキスをしてくれた。

それは長い、長いキスだった。