すると湊の目が輝きだして、

「芽衣が夢を見ていないか、今から5組に行って確かめてこよう!」

もう、湊はこういう話、大好きだよね。

そして私たち4人は5組へ向かった。

5組のドアの所から4人で教室の中を覗く。

小さい声で由真が私に確かめてきた。

「この中に今朝助けてくれた自称、結城和真はいる?」

「うーんっと、あっ、いたいた。あそこ、窓側の後ろに3人立ってるでしょ?あの中で一番背が高い人だよ」

すると夏樹が、

「本当にあの人だった?芽衣。間違えてない?俺たちも結城の顔知らないから、本人か分からないけどさ」

「うん、あの人だった。飲み物も買ってきてくれて。優しかったけどな」

それを聞いていた湊が、結城くんたち三人が立っているところまで行ってしまった。

「ねぇ、結城和真ってどいつ?」

そんな風に遠慮なく質問してる。

「やだ、湊!何やってんのよ!」

私はいたたまれなくなって、5組に入り湊を引っ張って廊下へ連れ出そうとした。

その時、結城くんと目が合った・・・。けど、目を逸らされた。