「俺は、結城和真(ユウキ カズマ) お前と同じ高2なんですけど」
へぇ。全然知らない・・・。同学年だったんだ。
「結城くん、しっかりしてるから先輩かと思った。同級生なんだね」
「お前も自己紹介してよ」
「でも、私のこと知ってるって言ってなかった?」
「いいんだよ、名前は?」
「柚木芽衣(ユヅキ メイ)です」
「本当に、柚木、芽衣なのか?」
「あの、嘘ついてどうします?私は柚木芽衣です」
「そうだよな。悪い。じゃ、クラスは?」
「2年3組です」
「付き合ってる人は?」
「ん?その情報って、必要?」
どさくさに紛れて、何を聞いてくるんだ、結城くんは!
「答えてよ」
「い、ない。です」
「ふっ、知ってるよ、そんなこと」
そう言ってイジワルそうに笑う結城くん。
「なっ!なによ。知ってるんなら、わざわざ聞かないでよ!」
「ははっ、それだけ元気になれば大丈夫だな」
結城くんは楽しそうに笑った。
「結城くんって、変な人」
でも、笑った顔がかっこいいかも。なんて思ってしまった。