部活を引退した数週間後、和真との約束通り京都へ旅行に来た。

場所は清水寺。ここから旅行は再スタート。

あの坂道を上り、坂道の途中にあるお土産物屋さんに立ち寄る。

『記念コイン』の看板を掲げているあのお店。

私たちは去年秋に記念コインの忘れ物が無かったか、ダメもとでお店の人に聞いた。

「あら、あるわよ、2枚。ちょっと待っててね」

私と和真は顔を見合わせて、本当に私たちのかな?って半信半疑で。

「あったあった、これね。名前がメイさんと和真さん。これで合ってるかしら?」

「わぁ、取っておいてくれたんですね。どうもありがとうございます」



私たちは自分の刻印したコインを受け取り、約一年越しに交換っこした。





『 To 和真  あいしてる  From  メイ 』

『 To 芽衣  一生涯愛す  From  和真 』




「芽衣の刻印、まさかの全部ひらがな?これをあんな長い時間考えてたのかよ」

「いいでしょ。この言葉を一番、和真に伝えたかったんだもん」

「俺のは、出会いがあれば必ず別れがある。それは死ぬ時でいい。そんな意味を込めたんだ」


「和真、あの時、私を見つけてくれてありがとう」



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