『芽衣?俺、俺!まだ起きてるみたいだから、お前たちの邪魔してやろうと思って、電話したー』
『えっ?湊?湊なの?』
『おう。結城はどうしてる?ちょっと結城に代わってくんない?男同士の話がしたいんだけど』
その電話は湊からだった。
湊の声を聞いた瞬間、それまで我慢していた涙が一気に溢れていた。
『湊。和真は、ここにはいないよ』
『へっ?なんで?お前たち那須へ旅行に行くって言ってなかった?』
『みなとぉー。私、怖いの。どうしていいか分からないの、助けて、湊』
『芽衣、どうした?なんで泣いてんだよ?何があった?』
『和真がね、和真が・・・ぐすん』
『結城がどうした?泣いてないで話せよ』
『和真が事故に遭って。足がね、足が動かなくってね。どうしよう、みなとー』
『はぁ?結城が事故って?芽衣、今どこ?病院なのか?』
『ううん、家にいる。和真のお父さんに帰るように言われて。私、私・・・』