由真と2人で湊の話をしていたら、

「芽衣?」

私の後ろから急に誰かに名前を呼ばれて。

振り向くと後ろの席に結城くんと他に2人のお友達が座ってて。

「あっ、結城くん。なんか久しぶりだね。この前は湊がごめんね」

「なぁ、その湊ってやつと芽衣って、どんな関係なの?前は湊ってやつに芽衣が世話になったな、なんて言われるし。今は芽衣から湊がごめん、ってさ」

「湊?湊は友達だよ。なんで?」

それを聞いていた由真が

「あぁ、湊。残念だね、友達だって」

と言って頭を抱えていたなんて、気付かなかった。


それと同時に結城くんのお友達がニヤニヤしているのにも、気付かなかった。


「芽衣はさ、付き合ってるヤツいないって言ってたよな?」

「そうだよ、いないよ?」

「じゃ、ずっと彼氏作るなよ」

「はい?なんで結城くんにそんな命令されなきゃならないのよ」

「約束、しただろ」

「約束?なにそれ?いつどんな約束した?」

「覚えてないなら、もういいよ。じゃあな」

そう言って結城くんはお友達2人をその場に残し、食堂を出て行ってしまった。