『ん・・・うっ』
その時、和真が目を覚ました。
「和真!和真っ!」
ナースコールのボタンを押し、私は和真を呼び続けた。
「痛ってー」
「和真、大丈夫?痛いの?すぐ看護師さん来てくれるから」
「芽衣なの?なぁ、俺の体、動かねぇし、すっげー痛いんだけど」
「うん、痛いよね。頑張ったね、和真。目覚めて良かった」
私は和真の前では気丈でいなきゃと思い、笑顔で接した。
それからすぐに看護師さんと和真のお父さんが来てくれて、鎮静剤を打ってくれたようだった。
痛みが落ち着いたころ、和真のお父さんが私に
「和真とお母さんと3人で話したいから、少し席を外してもらえないかな、芽衣ちゃん」
そうお願されたから、部屋を出ようとしたら、
「芽衣がいたら話せないの?親父?」
って。
「和真、お父さんのお話し、ちゃんと聞いてね。私は外にいるから。どこへも行かないから」
そう言って和真の病室から出た。