私は、キスのその先に進みたいと思っていた。

あれほど見せるのが怖かった胸の傷も、和真なら隠さず全てをさらけ出せるよ。

でも、和真はキス以上を求めてこない。

私とは、そういうことしたくないのかな?って不安になる。

私って、そんなに魅力ないの?

「和真、私ね。和真と・・・・。」

待って。こんなこと、女の私から誘ってもいいの?和真に引かれない?

「ん?なに?俺と?」

「あの。今度ね、その。和真に私の傷、をね。見てもらいたい」

「芽衣、それってどういう意味?医学的な意味なの?それとも…」

私から言ってもいいの?

でも和真となら、そうなりたいって。

「後者の、意味」

「芽衣、いいの?本当に、そう思ってくれてるの?」

「うん。和真と、そうなりたい。でもね、和真って私に興味ないのかなって、少し不安なの」

「俺がさ、芽衣のこと興味がないなんて、そんなことあると思う?俺、いつだって芽衣を押し倒してしまえたらいいのに、って思ってるんだけど。本当は今も頑張ってるんだよ。理性を失わないように戦ってる。もう俺を解放してくれるの?」

和真も私のことを求めてくれていたんだね。嬉しい。
私、全然不安じゃないよ。

和真が抱きしめていた腕を解き私の頬に両手を添えて強制的に和真と目を合わせさせる。

私たちは見つめ合って。

「ずっとずっと大事にするから」

そう耳元で囁かれて、耳にキスをされた。




「あぁ、ここが芽衣の家じゃなかったら良かったのに」

「ふふっ、もう少し我慢してね、和真」