「いいよ。はい」

そう言って私は和真に向き合い目を閉じた。

「芽衣、違うよ」

えっ?違うの?そう言うことじゃなかったの?

私は顔が真っ赤になった。

「和真のバカ。恥ずかしいよ」

「ははっ。芽衣は可愛いな。そうじゃなくてさ、芽衣がしてくれないと消毒にならないだろ」

「なっ!なに?やだ、和真。そんなこと、改まってお願いしないでよ」

「はい」

と、今度は和真が私の方を向いて目を閉じた。

私はそーっと和真に近づき、触れるだけのキスをした。

「そんなんじゃ、消毒にならない。もう一回。はい」

私はさっきと同じように触れるだけのキスをしたんだけど、和真に頭を抱え込まれて逃げられなくなった。

和真は今までにしたことのない、キスを返してきて。

息が苦しくなる。

角度を変えて何度も何度も。

「ふっ、あっ」

唇が離れた瞬間に息を吸う。でもすぐにまた口をふさがれる。

こんなキス、もう無理。和真、ギブだよ!

私は和真の胸をパシパシと叩く。

和真はそんな私にお構いなしに、私の口の中に舌を入れてきた。

「んっ・・・ふぁっ」

私はドキドキを通り越して、めまいを感じた。

「か、ずまっ。も、だめっ」

やっと和真の唇から解放された。


私は恥ずかしすぎて、顔を見られたくなくて、和真の胸に顔を埋めた。

「芽衣、本気で大好きだから。芽衣のことは俺が守るから。ずっと」

そう言って和真は抱きしめ返してくれて、頭を優しく撫でてくれた。

「うん。私も和真が大好きだよ。私も、和真のこと大切にするからね。何があっても」