「今日は楽しかった。ありがとう、悠」


紅蓮先輩が「家まで送る」と言ってくれた。


私はその好意に甘えて今はその帰り道。


「私こそ今日はありがとうございました。映画は何故か前半しか内容を覚えてないですけど……」

「後半から何があったか知りたい?」


「え!?」

「悠。今、何を考えてたの? 僕は映画の後半の内容を話そうとしてたんだけど」


「な……なにも考えてないです」

「本当に?」


私が嘘をついてることはお見通しって顔してる。


「大方、僕の膝の上に乗ってあんなことやそんなことをされたことを思い出してる」

「うっ」


私はゆでダコのように顔が赤くなった。


「悠は意外と変態なんだね」

「ちがっ……。えっちなのは紅蓮先輩のほうです。暗がりとはいえ、あ、あんなこと……」


思い出したら頬が熱くなった。


私が変態なら紅蓮先輩はムッツリだもん。

……って言いたい。けど怒られそうだから口に出来ない。