「だけど、僕たちは恋人である前に学生だから。それを踏まえた上で交際をしないと、ね」

「それもそうですね……」


外なのか堅物会長モードに戻ってる気がする。


「でも、互いに同意の上なら少し羽目を外すくらいは見逃してあげます」

「紅蓮、先輩?」


「ただ、羽目を外す以前に貴方は人のプライベートに立ち入り過ぎです」

「え?……重っ!!」


ズシッ!と手に重心がかかる。そこに視線を移すと、


「僕が席を外してる間にまだ雑誌にあげてない漫画を読みましたね?」

「うっ。そ、それは……」


紅蓮先輩がお手洗いに行ってる一瞬の間、私は盗み見をした。

だって、あの続きが紅蓮先輩の作業机にあったんだもん。気になって当たり前だよ。


「明日までに仕上げてきてください。それでは明日学校で」

「お、鬼だ……」


紅蓮先輩が立ち去ったあと、私は呟く。


それと同時にあることを思い出していた。

規則を破った者に無言で反省文を渡す堅物会長のウワサを。