「今日はもう遅いし、家まで送るよ」

「いえ、紅蓮先輩にそこまでしてもらうのはなんだか申し訳ないですし……。私は一人でも帰れるので大丈夫です!」


首をブンブンと振って断る私。


「申し訳ないって、何言ってるの? 悠はもう僕の恋人なんだから。好きな人が危険に遭うほうが僕は嫌だ。だから……ね?」

「うっ。だ、だったら」


「?」

「もっと紅蓮先輩の側にいたいです。今日は帰りたくな……紅蓮先輩?」


「そういうセリフは君がもっと大人になったときに聞かせて? それにダメだよ。初めて恋人の家に来た日にそんな可愛いこと言ったら」


今のって可愛い? 私は思ったことを口にしただけなんだけど。


「これ以上、僕の理性を飛ばすようなこと言ったらお仕置きするよ?」

「ひゃ!?」


耳に息を吹きかけられた。