「悠が恥ずかしがってる姿は可愛いから問題ない。それに今は悠にちょっかいかけるこの男をどうにかしないといけない」

「ちょっかいなんてひどいよ、紅蓮お兄ちゃん。俺は悠ちゃんにゾッコンなのに」


「勝負に負けたら諦めるといった貴方はどこにいったの、流架」

「だからそれは今回でしょ? 俺、気付いちゃったんだよね。この恋は止まらないって。悠ちゃん、君の言ってることが本当の意味でわかった気がするよ。本気の恋っていうのはこういうのをいうんだね」


「流架」

「い、一条君……」


前のように手の甲に口づけをされた。


「簡単には諦めない。だから悠ちゃんも覚悟してて?俺は紅蓮お兄ちゃんより上手いよ。……必ず俺に夢中させるから」


上手いってなにが?


って、えぇ!?

この勝負が終わったら紅蓮先輩とイチャイチャ出来ると思ったのに。


こうして無事? に小説勝負は幕を閉じた。


一条君は本当に紅蓮先輩に憧れてるんだなって安心した矢先、もう1つ悩みができた。


それは一条君が私を本気で落とそうとしてるってこと。


私の高校生活はこれからどうなっちゃうの!?