シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです

「だけど本当に嫌なら拒否するでしよ? きゃーとか大声あげてさ」

「教室で大声なんか上げられないよ。変な人と思われるのイヤだし。それに一条君は仮にもクラスメイトだから」


「仮にも? もしかして俺、警戒されてる?」

「……」

あんなことがあった後で平然としてる一条君の図太さが信じられないというか。


さっきの保健室でもそうだけど、カフェでも紅蓮先輩に言えないようなことをされれば嫌でも警戒してしまうのは当然といえば当然なわけで。


「悠ちゃんは俺と友達になりたいんだよね?」

「うん、そうだよ」


「なのに距離が離れてるってどういうこと?」

「……」


離れてるつもりはなかった。


無意識って怖い。


「友達だったらさ〜、このくらいの距離は普通じゃない?」

「ふ、普通じゃない!」


肩をグイッとされた。


一条君のお友達って本当にただの友達なの?

これって普通は恋人にやる行動なんじゃ……。


「悠ちゃんはお弁当なんだ。めっちゃ美味しそう! もしかして手作り?」

「わ、私のお母さんの手作り」


「へぇ〜。親が作ってくれるなんて悠ちゃんは愛されてるね」

「一条君はお弁当じゃないの?」


少しだけ一条君の闇の部分が見えた気がした。
きっと触れないほうがいいよね。


「俺はコンビニで買ってきたサンドウィッチ。俺の結構量あるからさ、良かったら交換しない?」

「男の子はたくさん食べるだろうし、一条君のは貰えないよ。私のは交換無しでも1〜2個くらいなら食べてもいいから」


グイグイ来られるのは少しだけ苦手。


だけど目をキラキラ輝かせて、めっちゃ食べたい! って顔をされたら1個くらいなら……ってなってしまう。

紅蓮先輩のイトコだから知らない仲でもないし。