シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです

「だけどリボンはもらっておく。悠に触れてないとき、僕が寂しくならないように」

「じゃあ私はこのままってことですか?」


一番上のボタンを止めればなんとかなるけど、でも何もつけてないのは不自然だし……。


なにより先生に見つかったら怒られそう。


「予備用のネクタイがあるから貸してあげる」


そう言って紅蓮先輩は引き出しからネクタイを取り出すと私にネクタイをする。


確かに女の子はネクタイしても問題ないけど。


何年か前の卒業生が女子生徒でもネクタイをしたい! という意見がそのまま採用された為、特別な行事以外はどちらでも着用可能とされている。


「ちなみにこれ僕のだから。……なくさないように」

「な、なくすなんてそんなことしませんよ」


予備用って紅蓮先輩のだったの?

思わず緊張で身体がかたくなった。


「今日は交換。放課後になったら返して。僕はポケットにでも入れておく。結局2時間目はここで過ごしちゃったね。あんまり拘束するのもよくないから3時間目から出るように」

「そんなに時間経ってたなんて知りませんでした……。わ、わかりました。それじゃあ行ってきます」


「本当は1日中離れたくない。僕が悠と同級生だったら良かったのに」

「紅蓮先輩……」


その言葉が妙に切なく感じたのは何故だろう。
それはきっと勘違いでも気のせいでもない。


だって私が2年生に進級するときには紅蓮先輩は卒業しているから……。

まだ半年は2人で過ごせるのに紅蓮先輩が呟いたせいでしんみりしちゃった。