「悠、いい? 堅物会長だって他の男となんら変わりはないのよ。油断してたら可愛い悠なんてすぐ食べられちゃうんだから」

「それは怖いけど……。食べられるって、だから私は美味しくないよ?」


「んー。悠の考えてることはなんとなくわかる。でも、そうじゃない!」


千智ちゃんは顎に手を当てて考えるポーズをしていた。


けど、すぐさまビシッ!と人差し指をこっちに向けてきた。


「千智ちゃん、難しくてわからないよ」


紅蓮先輩も私とキスするたび美味しいって言ってる。


「ねぇ、堅物会長になにされた? 変なことされなかった?」


「変なことはされてないよ。それに紅蓮先輩に触れられたら、その……」

「ここにいたんですね、悠」


上から声が降ってきた。

そこに立っていたのは紅蓮先輩だった。