わたしは冷蔵庫の中を覗いた。チャーハンに使えそうなものとして、角切りのベーコンと中華ペーストがあったので、それを取り出して扉を閉めた。
真ん中の台の取っ手を引いて、出てきた卵を四つ取って作業台に置き、コショウと醤油も作業台へ並べた。卵と同じように、真ん中の台に根菜があったので、そこから玉ねぎをちょうだいした。
玉ねぎの両端を切り落として、皮を剥きながら、わたしは唯子を呼んだ。
「なに」と返ってきて、「ごはん、軽く水洗いしておいて」と答える。
「は?」
「ごはん。さっとお水で洗っといて」
「え、本気?」
「そうするとパラパラになるんだよ」
「へえ……」
本当にやるわよ、と何度も言って、唯子はごはんを洗った。
わたしは油を引いたフライパンを温めて、唯子の洗ってくれたごはんの水気を、キッチンペーパーで取った。べったりとごはんがくっつくこれは、わたしは簡単なチャーハン作りの、唯一の戦いだと思っている。
ベーコンを炒めて、粗みじん切りにした玉ねぎを加え、火が通ったところでお皿に移す。油を少し足したフライパンに卵を割って、軽く混ぜ、ある程度火が通ったところでごはんを入れ、卵と混ぜるように炒める。そこへお皿に移したベーコンと玉ねぎをフライパンへ戻して、それらを温めるくらいに混ぜながら炒めて、コショウ、醤油、中華ペーストで味を付けて、お皿に盛ったら完成。
「文乃ちゃん特製、中華ペーストに頼り切りチャーハン、完成!」
「すごーい」と、のんびりした声が手を叩く。
わたしには二人分ずつが限界なので、もう一度、同じ方法で作る。
真ん中の台の取っ手を引いて、出てきた卵を四つ取って作業台に置き、コショウと醤油も作業台へ並べた。卵と同じように、真ん中の台に根菜があったので、そこから玉ねぎをちょうだいした。
玉ねぎの両端を切り落として、皮を剥きながら、わたしは唯子を呼んだ。
「なに」と返ってきて、「ごはん、軽く水洗いしておいて」と答える。
「は?」
「ごはん。さっとお水で洗っといて」
「え、本気?」
「そうするとパラパラになるんだよ」
「へえ……」
本当にやるわよ、と何度も言って、唯子はごはんを洗った。
わたしは油を引いたフライパンを温めて、唯子の洗ってくれたごはんの水気を、キッチンペーパーで取った。べったりとごはんがくっつくこれは、わたしは簡単なチャーハン作りの、唯一の戦いだと思っている。
ベーコンを炒めて、粗みじん切りにした玉ねぎを加え、火が通ったところでお皿に移す。油を少し足したフライパンに卵を割って、軽く混ぜ、ある程度火が通ったところでごはんを入れ、卵と混ぜるように炒める。そこへお皿に移したベーコンと玉ねぎをフライパンへ戻して、それらを温めるくらいに混ぜながら炒めて、コショウ、醤油、中華ペーストで味を付けて、お皿に盛ったら完成。
「文乃ちゃん特製、中華ペーストに頼り切りチャーハン、完成!」
「すごーい」と、のんびりした声が手を叩く。
わたしには二人分ずつが限界なので、もう一度、同じ方法で作る。



