「やあ、相川さん」と扉を開けてくれたのは、唯人君だった。ベージュのサマーセーターに淡い紺のズボンで、首に黒のヘッドホンがかかっている。思わず見入ってしまうような似合いぶりだった。
「健人は?」
「いつもの通り」
「またメイド服?」
「相川さんはなんでも似合うって、嬉しそうだったよ。シンプルなエプロンとかも見てみたいって」
「あいつはわたしで、なにがしたいんだ……」
唯人君が、ちらちらと辺りを見回した。そっとこちらへ寄ってくる。
「ここだけの話、健人は相川さんにぞっこんだよ。だいぶ前からね」
いたずら心の滲んだ優しい声に囁かれて、わたしは「はあ⁉」と声を上げた。唯人君は静かに、と慌てるでもなく、いたずらっぽく笑った。少し困っているようだけれど、楽しいんだな、とわかる笑顔。
だいぶ前ってなんだ? ここへくるのは今日で三日目。それ以前はほとんど話したこともなかった。……だいぶ前ってなんだ?
「健人は?」
「いつもの通り」
「またメイド服?」
「相川さんはなんでも似合うって、嬉しそうだったよ。シンプルなエプロンとかも見てみたいって」
「あいつはわたしで、なにがしたいんだ……」
唯人君が、ちらちらと辺りを見回した。そっとこちらへ寄ってくる。
「ここだけの話、健人は相川さんにぞっこんだよ。だいぶ前からね」
いたずら心の滲んだ優しい声に囁かれて、わたしは「はあ⁉」と声を上げた。唯人君は静かに、と慌てるでもなく、いたずらっぽく笑った。少し困っているようだけれど、楽しいんだな、とわかる笑顔。
だいぶ前ってなんだ? ここへくるのは今日で三日目。それ以前はほとんど話したこともなかった。……だいぶ前ってなんだ?