君にさよならを告げたとき、愛してると思った。



なぜか好きになった人には好きになってもらえないタイプの人間がいると聞いたけれど、それは紛れもなく私のことだ。


好きな人に好きになってもらう。当たり前にそばにいられる。


私にそんな幸せが訪れるなんて思っていなかったから、この夢みたいな毎日がどうしようもなく幸せで、けれど信じられなくて、夢心地に感じる時がある。


でも、これは夢なんかじゃない。確かに郁也はそこにいて、私のことを真っ直ぐに見てくれている。


私たちは今、しっかりとお互いを見て、そして同じ未来に向かっていると思うから。


近付いてきた郁也の顔から目をそらすことなく、ゆっくりと目を閉じた。