『back numberの素晴らしさは?』と聞いてくれたら、いくらでもプレゼンできるのに。


『大学 就活 面接』とネットで必死に調べたりして面接に挑んではいるけれど、企業からの返事は不採用通知として返ってきた。


もしかしたら私は、面接でなにか変なことを口走っているのだろうか。それとも、人間的になにか重大な欠陥があって、それが全身から滲み出ているのだろうか。そんな被害妄想を始めてしまう。


そんな私とは裏腹に、郁也はサクサクと就職先の目星をつけて、すでに何社か内定をもらっていた。ギターばかり弾いているくせにずるい。


就活に専念したいから動画投稿のペースを落としてほしい、と言っても頷いてはくれなくて、代わりに面接のコツや自己PRの仕方などを教えてくれた。


初めて真剣に将来の話をする郁也は、将来設計もしっかりとできていて。


集中すると周りが見えなくなるとかなんとか言っていたくせに、意外としっかりしていて、視野が広い上に容量がいいらしい。