君にさよならを告げたとき、愛してると思った。



三軒目のダイニングバーでスパークリングワインを飲みながら、彩乃が言った。


「なにが?」


「なにが?って……付き合ってないの?」


動画投稿を始めてから、こう聞いてくるのは彩乃だけじゃない。最近は練習後に飲みに行ったりすることも増えたから、郁也と一緒にいるところを見られることもあって、その度に『付き合ってるの?』と聞かれた。


それに、顔出しはしていないものの、郁也がもともとSNSに投稿していたからなのか、今は私と動画配信サイトへ動画投稿をしていることに気付いた人が少しずつ増えていた。


まあ、それ以前にサークルの飲み会で大勢の前で堂々と誘われたわけだし、噂が広がるのも無理はないけれど。


「付き合ってないよ」


彩乃と同じ物を喉に流して答えた。グラスを置いて頬杖をつくと、少し頬がほてっていることに気付いた。スパークリングワインって飲みやすいから、つい飲みすぎてしまう。


グラスで注文すると一杯分が少ないから、何度も注文するのは迷惑だといつもボトルで頼んでいるのだけれど、今日はもうすでに二本目のボトルが空になろうとしている。