君にさよならを告げたとき、愛してると思った。



***


「ユズー! 動画見たよ!」


練習を終えた私を講義室まで迎えにきた彩乃が、「お疲れ!」と私の肩に手を回した。


今日は彩乃と飲みに行く約束をしているので、郁也に送ってもらうことはなく、「またな」と私の頭にポンと手を乗せてから去っていった。


動画投稿をしていることは、彩乃にだけ報告していた。報告した、というか、彩乃は私に動画投稿を勧めた張本人なわけだから、報告せざるを得なかったと言った方が正しいけれど。


「あたしやっぱりユズの歌声好きだなぁ。それにいい曲ばっかりで、あたしもback numberのファンになってきた」


「でしょ? いいでしょ? アルバム貸そうか?」


「貸して貸して!」


動画を見てくれることももちろん嬉しいけれど、彼らの良さを共有できる人が増えていくことが嬉しかった。もっともっと、こういう人が増えてくれたらいい。


大学を出て、家に帰ることなく地下鉄名城線に乗って栄まで行く。


郁也は移動するのが面倒だからとひとつのお店でまったり飲みたい派だけれど、彩乃と私は何軒も居酒屋やバーをハシゴしたい派だから、彩乃と飲みに行く時はだいたい栄まできている。


金曜日はカラオケのフリータイムで始発を待つのがお決まりなので、終電の時間を気にすることもないし。


「フミくんとどうなの?」