君にさよならを告げたとき、愛してると思った。



さすが『全部好き』と言うだけあって、私が口にした曲名も歌詞も全部知っていたし、なんなら郁也も私に負けじと熱く語り出した。


遅い時間にエンジンがかかってしまった私たちは、夢中になって話し続けて、気付けば終電の時間をとっくに過ぎていて。やっぱり栄まで行かなくてよかったねと笑い合った。


「じゃあさ、back numberの曲、全部制覇するか」


「え? 全部?」


「だって俺、何曲かだけなんて選べねぇもん」


それは私もだけど。


私が驚いているのはそこじゃなくて、一曲だけ撮影して投稿したら終わりだと思っていたのに。


いつまで動画投稿をするつもりなのか聞こうかと思ったけれど、あっさり「じゃあ今回だけにしとくか」と言われるかもしれないから、口には出さなかった。


動画投稿を続けるのなら、きっと今まで通り週二、三回のペースで会うことになるのかな。


そうか、これからは飲み友達になるのか、どれくらいの頻度で誘えばいいのか、なんて悩まなくてもよかったじゃないか。


大学卒業まで約二年。せめてその頃までは、こうして一緒にいられるのだろうか。