君にさよならを告げたとき、愛してると思った。



今までは練習のために週二、三回会っていたわけだけれど、飲み友達って、どれくらいの頻度で会うのかな。どれくらいの頻度で誘っていいのかな。


同じく酒豪の彩乃なら毎日でも誘えるのに、郁也との距離感がうまく掴めない。どこまで踏み込んでいいのかよくわからない。


お酒が入った郁也はよく喋ってよく笑っていた。いや、ギターを持っている時と集中モードに入っている時以外は、普段からよく喋ってよく笑っているっけ。


もう何杯目かわからないレモンサワーを飲み干す頃には、くだらない話ばかりして、バカみたいに笑っていた。私は酔うととにかく楽しくなって、笑い上戸になるのだ。


でも、いつもよりたくさん笑っている気がする。


「フミって、けっこう笑うよね」


「そりゃ笑うだろ」


「最初は全然だったじゃん。目つき悪くてぶっきらぼうで不愛想で上から目線で偉そうで……」


「おい、悪口はそこまでにしとけよ」


いつの間にか、最初のぶっきらぼうで不愛想なイメージはすっかりなくなっていて、今ではこんな憎まれ口を叩けるようになった。


出会った当初は絶対に怒りそうだから言えないと思っていたけれど、普段の郁也は至って温厚だということがわかったからだ。


今持っているのはギターじゃなくハイボールだから、今のうちに日頃の恨みを発散しておかねば。