君にさよならを告げたとき、愛してると思った。



君がついた最後の嘘に気付かないフリをして、最後に私も嘘をつく。


本当のことを伝えてしまえば、君の前で泣いてしまうから。君の記憶の中の私は、いつも笑っていたはずだから。


大好きだった、幸せだったと思えるうちに、君が私の笑顔を覚えてくれているうちに、君が好きだと言ってくれた私のままで--さよならをしたいから。


「別れよう」


本当はね、私の笑顔を思い出して、あいつ、いつも笑ってたな、とか。


いい女だったなって思ってくれたらいいな、とか。


動画を見て、ああ、楽しかったなって思い出してくれたらいいな、とか。


そんな未練がましい気持ちがないと言えば嘘になるし、彼女と一緒に動画を観ちゃったりして、ちょっと喧嘩になっちゃえばいい、とかも正直思うよ。


心から君の幸せだけを願えるほど、私強くなんてないよ。


でもね、どんなに喧嘩しても、辛いことがあっても、最後には、また笑ってくれたらいいなって、思うよ。


思い返してみたら、君といる時、私はいつも笑っていた。


喧嘩しても最後には笑っていて、喧嘩さえも幸せな記憶に変わっていた。


君と一緒にいられることが幸せでしかないって、何度も何度も思った。


君と過ごした時間を、否定したくないと思った。なかったことには絶対にしたくないと思った。


君と過ごした四年間は、それほど幸せなものだったから。