君にさよならを告げたとき、愛してると思った。



離れたくない。別れたくない。ずっと一緒にいたい。


これからもずっと、幸せを育んでいきたい。郁也の笑顔を見て、私も隣で笑っていたい。


どうして私じゃダメだったの? あんなに一緒にいたのに。


どこで間違えたのだろう。どこからやり直せばいいのだろう。


初めて悩みを打ち明けてくれた日、なにか言えばよかったのかな。


仕事大変だよね、辛いよね、愚痴でもなんでも聞くよって、私にできることがあればなんでも言ってねって、「私は絶対にフミの味方だよ」って--なにか言えばよかったのかな。


初めて飲み会に行ったあの日、好きにしていいよ、自由にしようなんて言わなければよかったのかな。


ひとりで家にいるのは寂しいって、もっと早く言えばよかったのかな。


ずっと胸の奥にしまっていた想いがこみあげて、鼻の奥がツンと痛んだ。


全て伝えることができたなら、目の前で泣くことができたなら、少しはスッキリするのかな。


出会ってからの四年間はなんだったのって、結婚なんて言葉を軽く口にするなって、北海道までついてきたのにふざけるなって、全部塗り替えたくせに勝手にいなくなろうとするなって言ったら、少しは郁也のことを嫌いになれるのかな。


思いっきり文句を言って、『最低』って罵ったら、少しは郁也のことを許せるのかな。


背中に郁也の体温を感じながら、声を押し殺して、明け方まで泣き続けた。