君にさよならを告げたとき、愛してると思った。

ああ、彩乃に会いたいな。連休は帰ってくるって言ったじゃん!って怒られたし、次の休みはひとりでも帰ろうかな。


彩乃のことを思い出すと、胸の奥がじんわりと温まった気がした。


久しぶりに行きたいな、錦三丁目。郁也と出会ったのも、錦三丁目のカラオケだったっけ。


郁也と笑い合っていた日々を、当たり前に隣にいられた日々を鮮明に思い出せないのは、見慣れていないこの真っ白な景色のせいだろうか。