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いくつかの会社を受けてはみたけれど、どこも似たような面接だった。
『どうして北海道に?』という質問には慣れてきたけれど、私がなんと答えようが、いくら堂々としていようが、面接官の反応はいつも同じ。
学生時代の、地獄の就活を思い出してしまう。あんな思いは二度としたくないと思っていたのに、まさかまたこんな日々を送ることになるなんて。
もしかしたら私は、面接でなにか変なことを口走っているのだろうか。それとも、人間的になにか重大な欠陥があって、それが滲み出ているのだろうか。
……あれ、前にも同じことを思っていたっけ。進歩がないなあ、私は。
大学さえ出ていれば人生に余裕が持てると淡い期待を抱いていたはずなのに、最終学歴が大卒なんて、なんのブランドにもならないことを思い知った。
正社員にこだわっていたらいつ仕事が決まるかわからない。とりあえず繋ぎでもいいからとにかく働かなければ、と派遣会社に登録してやっと仕事が決まったのは、昼間でも少し肌寒くなってきた八月の終わり頃だった。
月に一度の定時上がりの日、今日は百円で厚岸産の牡蠣が食べられる居酒屋にきていた。
北海道にきて五ヶ月が経とうとしているのに、観光は思うようにはできていないけれど、居酒屋の開拓だけは順調に進んでいる。


