Re:START! ~君のバンドに、入ります~

「本当だって! だから俺は絶対に詩乃に歌って欲しいんだ。もちろんまだ歌い慣れてないから、技術的には粗いところはある。でもそんなのどうでもいいくらい、詩乃の声には人を惹きつける力があるんだよ。だからそんな昔のことなんて忘れろよ! 自信持て!」


 律くんが目の前で熱弁してくれている。

 私の声はすごいんだって。

 自信を持っていいんだって。

 ――いいんだ。

 姫奈ちゃんが言っていたこと、気にしなくていいんだ。

 私、自信を持ってもいいんだ。


「……ありがとう律くん。私まだどこかで『どうして律くんと響斗くんは、私を選んだんだろう?』って思ってたみたい。まだ誰かの前で歌うのはちょっと怖いけど、もっと自信もってみる!」

「おう! 俺と響斗は、いろんな音楽をたくさん聞いてんだ。その俺たちが言ってるんだから、お前の歌声に間違いはねえよ!」


 目の前で、全開の笑顔を私に向けて言ってくれる律くん。

 とてつもない嬉しさが胸の奥から湧き上がってくる。

 ――それと同時に。

 ドキ。

 あれ……?

 なんか胸がやけにドキドキ音を立てている。

 な、なんだろうこれ。