だって、そのテストの後に姫奈ちゃんに「変な声」って言われたトラウマを、今でも私は引きずっているのだから。
「あの時の詩乃の歌声、俺今でもすげー覚えてる」
「えっ!?」
三年も前の、たかがひとり一分くらいの歌のテストのことを?
どうして?
「その時、俺もうギターの練習しててさ。ロックもよく聞いてたんだ。だから詩乃の歌を聞いて、すげーいい声だな、バンド向けだなって思った。まあその時は、まだバンド組むことまでは考えてなかったから、そう思っただけだったんだけど」
「そうだったの……!?」
そんなに昔から、律くんは私の歌声を気に入ってくれていたんだ。
そういえば、その頃の私は律くんのことを怖いって思っていなかった気がする。
そんなに仲良しっていうわけではなかったけれど、大人数で遊ぶ時は律くんもいたことがあった。
気軽に話していた覚えがあるなあ。
もしかしたら、私はあの出来事の後から強気な人を「怖い」って思うようになっちゃったのかもしれない。
「あの時の詩乃の歌声、俺今でもすげー覚えてる」
「えっ!?」
三年も前の、たかがひとり一分くらいの歌のテストのことを?
どうして?
「その時、俺もうギターの練習しててさ。ロックもよく聞いてたんだ。だから詩乃の歌を聞いて、すげーいい声だな、バンド向けだなって思った。まあその時は、まだバンド組むことまでは考えてなかったから、そう思っただけだったんだけど」
「そうだったの……!?」
そんなに昔から、律くんは私の歌声を気に入ってくれていたんだ。
そういえば、その頃の私は律くんのことを怖いって思っていなかった気がする。
そんなに仲良しっていうわけではなかったけれど、大人数で遊ぶ時は律くんもいたことがあった。
気軽に話していた覚えがあるなあ。
もしかしたら、私はあの出来事の後から強気な人を「怖い」って思うようになっちゃったのかもしれない。



