Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 音也さんに向かってぺこりと会釈をしてから、ずんずんと通路を進み律くんの後をついていく私。

 微かに他の部屋から音が漏れていて、激しいドラムロールや男の人の歌声が少し聞こえてきた。

 六号室の前に着くと、律くんが重そうな扉を開け、私たちは一緒に中へと入った。

 そんなに広くない一室には、最奥に置いてあるドラムセットに、いつも律くんが使っているようなアンプや、音を調節する機械といった、私にはよくわからないものが置いてある。

 律くんはドラムセットの脇に置いてあった丸椅子に座ると、ため息をつく。


「ごめんな、詩乃。音也兄、うるさいやつで」


 申し訳なさそうな顔をして言ってくれた。

 律くんのこと、前までは怖い人だって思ってたけど。

 やっぱり実は結構優しいよね……。


「あ、ううん。音也さん、明るくて優しそうな人だね!」

「まあ……。優しいことは優しいかな。部屋が空いてたらタダで使わせてくれるし、俺たちのことも応援してくれてるし」

「応援……。そうなんだ」


 音也さんは、前のボーカルのアリスちゃんがいた頃から律くんたちを応援してくれているのだろう。