Re:START! ~君のバンドに、入ります~

「別に。ただの雨宿りだよ」

「こ、こんにちは……」


 いきなりの展開に少しついていけていない私は、おずおずと挨拶をする。

 するとお兄さんはにっこり笑ってくれた。


「はい、こんにちはー。しかも結構かわいい子じゃん~。律、やるねえ~」

「えっ……」


 家族以外の男の人にかわいいだなんて言われたことがなくて、私はどぎまぎしてしまってうまく言葉が出てこない。

 すると律くんは露骨に嫌そうな顔をしてこう返した。


「うっせーな音也(おとや)兄は! 詩乃は俺のバンドのボーカルになったんだよ! からかうなっつーの」


 律くんの従兄、音也さんって言うんだ。

 律に音也かあ。

 琴弾家は音楽一家なのかな?

 それまでニヤニヤしていた音也さんだったけど、律くんの言葉を聞いて少し驚いたような顔をした。


「え、マジ? 新しいボーカル、見つかったのか?」

「だからそう言ってんじゃねーか」