Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 背後からいきなり名前を呼ばれて、驚いて振り返る私。

 ――すると、そこには。


「り、律くん!? どうしてここに」


 傘をさした律くんがいたんだ。

 通学鞄を持っていないので一度家には帰ったらしい。


「どうしてってこっちのセリフだけど。ここ、俺の従兄がやってるスタジオだから」


 律くんは怪訝そうに私を見ながら言う。


「え! 律くんの従兄が!?」

「うん、結構年は離れてるけど。だからたまに学校終わった後遊びに来るんだ。部屋余ってたら使わせてくれるし。……で、詩乃はなんでこんなところにいるんだよ」

「わ、私はただの雨宿りで……」

「あー、土砂降りだもんな。じゃ、止むまで中入れよ」

「えっ? いいの?」

「うん、大丈夫」


 そう言うと、律くんは自動扉を開けてお店の中に入っていった。

 私も彼の後に続く。


「おっ。律ー。なんだよ、いっちょ前に女の子なんて連れてきちゃってさー」


 受付のお兄さんが律くんと私のことを見て、茶化すように言ってくる。

 律くんの従兄らしいお兄さんは、黒髪できれいな顔立ちをしていて、律くんによく似ていた。