Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 学校を出る時に降ってくれれば、置き傘があったのになあ。

 とりあえずしばらく雨宿りして様子をみようっと……。

 そんなことを考えていると、雨宿りさせてもらっているお店の立て看板が目に入ってきた。

 『音楽スタジオLaw』と書かれている。

 へえ……。

 こんなところに音楽スタジオなんてあったんだ。

 商店街の外れの場所だし、あまえ目立たない看板だから今まで気が付かなかった。

 ガラスの自動扉の先には、受付らしきカウンターにひとりの男性店員の姿が見えた。

 椅子に座り、退屈そうな顔をして雑誌を読んでいる。

 音楽スタジオなんて行ったことはないけど、確か防音室がいくつかあってバンドの練習ができるところだったよね。

 私たちはたまたま第二音楽室が使い放題だから練習場所には困らないけど、本当はこういう場所で練習するんだよね。

 あ、でも中学生のお小遣いじゃ、三人合わせても頻繁な練習は無理だろうなあ……。

 音楽室があって本当によかった。

 なんてことを、お店の中をちらちら覗きながら考えていると。


「あれ。詩乃?」

「えっ?」