Re:START! ~君のバンドに、入ります~

「知ってると思うけど、姫奈ちゃんは律くんにほの字なんだからさあ。律くんと仲良くした子がどうなるか、知ってるでしょっ?」

「う、うん……。知ってる」


 二年生になって半年だけど、これまで何人もの子が姫奈ちゃんグループに意地悪されている光景を見てきた。
 
 律くんは、女の子の細かい関係に気づくようなタイプじゃないし、バンドのことしか頭にないから、そんなこと考えてもいないみたいだけど。


「だ、大丈夫。本当に仲がいいわけでは……ないから」


 放課後集まって毎日バンドの練習をしているだけだから。

 ――って、それって結構仲がいい気はする。

 教室での印象ほど、律くん怖くない。

 むしろすごく優しい。

 だから最近は、緊張しないで気楽に話せるようになってきた。

 ……なってきてしまった。

 そんなことが姫奈ちゃんに知られたらとんでもないことになる。

 もっと注意して行動しないと……!


「そう? それならよかったよー。でも私は、姫奈ちゃんに詩ちゃんが嫌われても関係なく友達だからね」


 にこりと笑って沙菜ちんが言う。