Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 あと二週間で、納得のいく歌声がちゃんと録音できるのかな……。

 という風に、不安に思っていると。


「詩乃。お前の班にカッターあるか?」


 少し離れたところで作業していたはずの、違う班の律くんがいきなり話しかけてきた。


「うん、あるよ」


 さっき使ったカッターが机の上にあったので、私は律くんに手渡した。

 カッターは、教室内に三個しかないので、みんなで貸し借りをして使うことになっているのだ。


「おう、サンキュ……って、お前んとこの班、順調そうだな」


 私からカッターを受け取った律くんは、床に広げた私たちの班の模造紙を眺めながら言った。


「うん。文化祭までには余裕で終わると思う」

「マジか。俺んとこは、ちょっと微妙なんだよな。もしかしたら、練習に遅れていく日もあるかもしれね」

「あ、そうなんだ。わかった」


 そんな会話をした後、カッターを手にした律くんは自分の班へと戻っていった。

 すると、なぜか不思議そうな顔をして私を見ている沙菜ちん。


「沙菜ちん、どうしたの……?」

「いや、なんか最近の詩ちゃんと律くん……」