Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 だけどそう簡単にトラウマは消えてくれないみたいだ。


「はあ……」


 ベッドに寝っ転がりながら本を読んでいた私は、思わず深くため息をつく。

 ――すると。

 コンコン、とドアをノックする音が聞こえてきた。

 きっと、お母さんだ。

 私は慌てて背中に本を隠して飛び起き、「は、はーい」と言った。

 すると、思った通りお母さんが入ってきた。


「さっき帰ってきたお父さんが、お土産にケーキ買ってきたのよ。食べるよね?」

「う、うん! もう少ししたらリビング行くね!」

「あら、そう。じゃあ準備しておくわね」


 お母さんは私に背を向けて、部屋から出ようとする。

 ――よかった。

 隠した本には気づかなかったみたい。

 バンドをやってることは、まだ家族にも言ってない。

 まだ上手に歌えないから、なんとなく隠しておきたかったんだ。

 しかし、部屋から出ようとしたお母さんが振り返って、こう言った。


「最近、なんだか忙しそうね。学校から帰ってくるのも遅いし……」

「えっ! ああ、文化祭の準備があって!」


 適当に言い訳をする。