Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 あと一ヵ月の間に、せめてふたりの前だけでも上手に歌えるようにならないと、とてもじゃないがステージで私の歌なんて流せない。

 録音できる機材は、響斗くんしか持っていないから、この第二音楽室で録らなければならないし。

 ――よし! 頑張るぞ!

 そう意気込んで取り組んだ今日の練習では、今までよりも少しだけ上手に歌えた気がした。

 それでもまだ、ひとりカラオケで思いっきり歌っていた時の歌とは、程遠かったけれど。





 うーん、何が悪いんだろう?

 少し前に学校の図書室から借りた、「歌が上手くなる方法」という本を読みながら、思い悩む私。

 晩御飯を食べて奏太と一緒にお風呂に入ったあと、自分の部屋で一生懸命歌の勉強をしていた。

 本には「腹式呼吸の仕方」とか「のどの奥を開く方法」なんかが、詳しく書いてある。

 昨日その項目を読んで、今日の練習で試してみたんだけど……。

 なんだか、思うようにうまくいかなかった。

 ――なんとなく、理由はわかっているけれど。

 やっぱりどこかで緊張している気がするんだよね。

 最初よりは随分マシにはなって来てるとは思う。