Re:START! ~君のバンドに、入ります~

「だだだだ大丈夫じゃありませんっ!」


 楽観的な響斗くんに、私は涙目になりながら詰め寄った。


「無理なんだってば! わ、わたし本当に! 体育館のステージで、たくさんの人の前で歌を歌うなんてっ。考えただけでも心臓止まるー! きっと死んじゃう!」

「死にはしないだろ」


 律くんの冷静なツッコミにも、私は首をぶんぶんと振った。


「死ぬほど無理なのっ!」


 本当に冗談抜きで、私にとっては死を覚悟するほどの恐怖なんだ。

 いまだに、「高くて変な声―。詩乃ちゃんってぶりっこなのー?」という、姫奈ちゃんのあの時の言葉を思い出すだけで、心が沈むのだから。


「ならさあ。こういうのはどう?」


 泣きそうになっている私に向かって、苦笑を浮かべながら響斗くんが言った。


「え……?」

「俺と律は、ドラムの打ち込みに合わせて生演奏する。詩乃ちゃんの歌は、あらかじめ録音しておいたものを流す。それなら、詩乃ちゃんはステージでライブはしなくて済むし、俺たちは念願のライブができるってわけ。ボーカルが誰かだって、みんなにはバレない」


 録音した歌を、流す?