Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 そんなことを大声で言っちゃって。

 せっかくふたりが、私を認めてくれたのに。

 なんだかすごく、失礼なことをしたように思えてきた。

 ふたりはすごく頑張っているのに、あんなことを言ってしまって。

 私は急いで掃除の続きを始めた。

 突然素早くほうきを動かしだした私を見て、沙菜ちんと美香ちゃんが目を丸くする。


「詩ちゃん、急にどうしたの?」

「ちょっと用事を思い出しちゃって! 掃除早く終わらせて行くね!」


 沙菜ちんの質問にそう答えると、私は集めたゴミをちりとりで取る。

 そして駆け足でゴミ箱へ向かって、ゴミを捨てた。


「じゃあ私行くね!」


 掃除用具をしまって、不思議そうな顔をしている沙菜ちんと美香ちゃんにそう告げると、私は教室を出て走り出した。

 旧校舎にある、第二音楽室に向かって。

 ――とにかく昨日のこと、謝らなくっちゃ。





 第二音楽室からは、昨日とは違って楽器の音は聞こえてこなかった。

 いないのかな、と考えながらも、静かに扉を開ける。

 律くんと響斗くんは演奏はしていなかったけれど、並んで椅子に座ってパソコンの画面を見ていた。