Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 美香ちゃんも、いつもアニメの曲ばかり聞いているから、バンドの曲なんて興味はなかったと思う。

 ――本当にすごいね、律くんに響斗くんは。

 普段バンドに興味がない子達にも、「いい曲」って言われるなんて。

 沙菜ちんも美香ちゃんも、同じクラスにそれを演奏した人がいるって知ったら、どう思うんだろう。

 きっとすごく驚いて、律くんや響斗くんを賞賛するんだろうな。

 なんてことをふと思っていると。


「あ、でもさあ。この人たち、一曲しか作ってないらしいよね」


 美香ちゃんが言う。

 あまり聞いたことないってさっき言ってたけど、結構詳しいんだな。

 彼女はおたくの気があって、ネットニュースをよく見てるって言ってたから、いろいろなことを知っているのかもしれない。


「へー、そうなんだね」

「正体不明なんだって。ちょっと怪しい感じがするよね……。CDとかも出さないらしいし。たまたま一曲だけ運よく当てた、一発屋なのかなあ」


 美香ちゃんが言葉には、きっと悪気はなかったと思う。

 ただ、STAR STARTについての知っている知識を、沙菜ちんに話しただけだ。