Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 少し前の動画を見ても思ったけど、彼らがいかに本気でバンドをやろうとしてるのかを私は感じた。

 ――すごいな、あのふたり。

 だけどあのふたりを尊敬すればするほど、私なんか無理だって、思えるのだった。





 次の日、また恐る恐る教室に入ったけど、律くんは突撃してこなかった。

 机の上に頬杖をついて、不機嫌そうな顔をする律くんと、どこか困ったように笑って彼に話しかける響斗くんの姿が見えた。

 何か言われるんじゃないかって、一日びくびくしながら過ごしたけれど、ふたりが私に接触することはなかった。

 昨日の私の態度で怒って、私を誘うのは諦めたのかな。

 あまりいい気分ではなかったけれど、諦めてくれたのならよかったかも……。

 ふたりと話すことなく放課後になり、私は教室の床をほうきではいていた。

 今日は掃除当番だったんだ。

 律くんも響斗くんも当番ではなかったら、もう帰ってしまっただろう。

 あ、帰らずに旧校舎の第二音楽室で練習しているのかな。
 
 ――もう私があそこに行くことはないだろうなあ。
 
 そんなことを考えていると。