Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 それは間違いない。


「昨日聞いたから、分かるよ。本当に好きなんだなって思った。ヒトカラするよりも絶対に楽しいと思うよ、バンド」

「……」


 自分がバンドをやるなんてまだまったく想像がつかない。

 返す言葉見つからなくて、私は黙りこくってしまった。
 
 ――すると。


「あー! もうめんどくせえなあお前!」


 いきなり律くんが大声を出したので、びくりとしてしまう私。


「とりあえず一曲ここで歌ってみろ!」

「え、えええ!?」


 そんなこといきなり言われても!

 無理無理無理!

 そう思った私だったけど「響斗! 行くぞ!」と律くんが言うと、響斗くんがパソコンをいじった。

 すると、冒頭のドラムロールが流れてきた。

 そして律くんはギター、響斗くんがベースの演奏を始めてしまう。

 そ、そんなことをやられても!

 ふたりの前で歌うなんて、無理に決まってるじゃない!

 ――そう思った私だったけれど。

 間近で聞こえてくる、憧れのSTAR STARTの生演奏。

 臨場感のある、息ぴったりのふたりのサウンド。