Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 怒りに来たんじゃないの?……と、不思議に思う私だったが。


「……なんなのよ、あれ」


 姫奈ちゃんは私を睨みつけながら、相変わらずいつもと全然違う不機嫌そうな声で言った。

 や、やっぱり怒ってるんじゃ!?


「なんなの……。あんなの、文句言えないじゃない」

「え?」


 どういう意味だろう?


「あんなすごいの見せられたら……。バンドやめろとか、律くんと一緒にいるなとか、私言えないじゃないの!」


 怒った声でそう言われて、一瞬体を震わせる私。

 だけど、姫奈ちゃんの言葉をもう一度頭の中でよく考えてみたら……。


「褒めてくれてるの……?」

「……っ! 悔しいけど! すごくよかったわよあんたの歌! 認めたくないのに……。認めざるをえないわよ! あんなの!」

「姫奈ちゃん……」


 姫奈ちゃんの口調は、やっぱり荒かったけれど。

 私の歌が、姫奈ちゃんの心に伝わった。

 一生懸命歌った私の歌が、姫奈ちゃんの気持ちを変えてくれた。


「ありがとう……!」


 私は満面の笑みを浮かべて言った。