Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 しかも、目の前にある律くんの顔を見ていると、さらにドキドキは大きくなっていく。

 ちょっと、なんだろ、これ……。

 これ、この前も同じようなことがあったよね。

 確か、律くんに「自信を持て」って言われて、今みたいに目の前で思いっきり笑顔を向けられたとき。

 私……まさか?

 息が苦しくなった気がして、私は慌てて律くんから目を逸らした。

 ――すると。


「アンコール! アンコール!」


 観客たちは、いつの間にかそんなことを声を揃えて合唱していた。

 私達の演奏を聴いて、みんなこんなに喜んでくれているんだ。

 この時初めて、私に嬉しさがこみ上げてきた。

 ――しかし。


「はい、静かに! 時間がないのでアンコールはありません。MOON STARTの三人はありがとうございました~」


 司会進行の先生が、マイクを通して有無を言わさぬような強い口調でこう言った。

 そうだった、あんまり時間はなかったんだっけ。


「えー」

「つまんなーい、もう一回聞きたいー!」

「静かにしてください!」