Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 私には律くんと響斗くんっていう、一緒に頑張ってきた仲間がいる。

 私のことを認めてくれたふたりが、ついているんだ。

 ただ思いっきり、歌えばいいんだ。

 私は大きく息を吸い込んでから、好きで好きでたまらない、あの歌を歌い始めたのだった。


“悔しくて涙が出た日も うまくいかなくて落ち込んだ日も
君がいつも応援してくれた また始めようと思えた
はらりはらりと 桜が舞い散る中で
優しく笑う君 私は空を見上げる
もうすぐ青葉の季節になる 花を摘んであの場所を行こう
私たちの始まりの場所へ 私たちが出会った場所へ
一度は諦めたあの夢を 君と共に追いかけに“


 マイクがないことなんて、全然気にならなかった。

 私はたくさんの人たちを前にしても、自分の思う通りに歌うことができた。

 律くんのリズミカルなギターの音色。

 響斗くんの正確なベースの低音。

 柔らかいアコースティックのリズムは、とても優しくて穏やかで。

 それを体いっぱいに感じた私に、怖さなんて一切感じなかったんだ。

 ボーカルのパートが終わって、後奏のギターとベースの旋律で曲が終わる。