Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 自分がこんなに注目されることなんて、今まで経験したことがなかったんだ。

 ステージの真ん中に立った私。

 二年生が座っている場所を見たら、姫奈ちゃんの姿が偶然目に入ってきた。

 姫奈ちゃんは、ひどく不機嫌そうに私たちを眺めていた。

 やっぱり、大好きな律くんが私なんかと一緒にバンドをやっているなんて、許せないんだと思う。

 ――また何か言われちゃうのかな。

 「高くて変な声―。詩乃ちゃんってぶりっこなのー?」という、小学生の時に姫奈ちゃんに言われた言葉がフラッシュバックする。

 足と手が震えてきた。

 ステージ袖で律くんと響斗くんと一緒にいた時は、腹をくくれたと思えていたのに。

 姫奈ちゃんと、数百人の観客を実際に前にした途端。

 ――怖い。

 そんな気持ちが沸き起こってくる。

 ――だけど。

 響斗くんが、ドラムの代わりに軽くベースを叩いて、リズムを取った。

 その後、出だしの律くんのギターの音色が聞こえてきた。

 それを聞いた瞬間だった。

 一瞬前まで感じていた恐怖が、嘘のように消える。

 ――そうだ、何も怖がる必要なんてない。