Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 停電でも、今から楽器を持って来れば、私たちがライブをできるということを。


「……わかったわ。司会進行の先生に伝えておきます。ただし、今からふたりが楽器を取りに行ってセッティングするとなると、あまり時間が足りないわね。できて一曲……というところかな」

「それでいいです!」


 私は勢いよく言った。ふたりもきっとそう言うはずだから。

 例え一曲でもいい。

 私たちの練習の成果を、披露することができるなら。

 私がそう言うと、先生は「それじゃそう伝えてきます。頑張ってね」と言って、ステージ袖から去っていった。

 ――すると。


「も、持ってきたぞ!」


 律くんと響斗くんが戻ってきた。

 大きなアコギとアコベースを抱えて、息を切らしながら。

 全速力で戻ってきたんだろうな。


「時間がないからできるのは一曲だけだって溝口先生が」


 そう伝えると、律くんが不敵な顔をして笑う。


「一曲か。まあ、それでもやれるだけで十分だよ。……さんきゅーな、詩乃。アコギとアコベースのこと、思い出してくれて」

「ほんとだよ。俺たちじゃ気が付かなった」