Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 そんな私を、律くんが訝しげな顔をして見た。

 響斗くんと先生も、不思議そうに私を眺めている。

 ――ライブができる。

 電気がなくたって、ライブできる方法を私はひとつだけ思いついてしまった。

 様子を見る限り、律くんも響斗くんもまだ気が付いていないようだ。

 ――だけど、その方法は。

 私がみんなの前で、生歌を披露することになってしまうんだ。

 ――どうする?

 そんなこと、私にできるの?

 少し前まで、ヒトカラにこもるか奏多の前でしか、思いっきり歌えなかった私が。

 全校生徒、近隣の人たちもお客さんとして来ている中で、みんなが盛り上がる歌なんて歌えるの?

 ――やっぱり、無理……。


「詩乃ちゃん、どうしたの?」


 考え込む私を、響斗くんが心配そうな顔をしてのぞきこんできた。

 律くんも同じような顔をしている。

 ――ふたりとの今までの思い出が、自然と頭に浮かんできた。

 最初は、楽しくヒトカラをしているときにいきなり乱入してきて、何なんだこの人たちって思った。

 そしていきなりバンドに入れだなんて、わけのわからないことを言われて。