Re:START! ~君のバンドに、入ります~

 申し訳なさそうに言う先生。

 律くんが俯いた。

 いつも穏やかに笑っている響斗くんも、口を引き結んで強張った顔をしている。

 ――悔しいんだ、ふたりとも。

 そうだよ。

 私なんかよりも、ふたりはずっと頑張って練習してたんだ。

 やりたかったライブを、やっとできそうだったのに。

 それが直前になって諦めることになるなんて。

 悔しいに、決まっている。


「さっきの合唱のような、電気を使わない演奏ならできたんだけどね……。この後閉会式が続くから、全校生徒はまだ待機してるし。明かりがないから薄暗いけど、窓からの光で真っ暗ってわけでもないから」


 がっかりしている私たちに向かって、先生が言った。

 ――そっか。

 確かにさっきの合唱なら、楽器は電気のいらないピアノだけだったし、あとは歌だから、電気がなくても発表できるんだ。

 だけど私たちは、ロックバンドだ。

 エレキギターとエレキベースが、絶対に必要な演奏なのだ。

 やっぱり停電の状態じゃ、ライブは無理……。


「……あっ!」


 あることを思い出した私は、思わず声をあげた。


「詩乃?」